ナーシングラッグの秘密

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肌に優しく、保湿性に優れたムートン
ナーシングラッグは、一般的にはムートンと呼ばれる素材でできています。ムートンとは羊の毛皮からできている 素材のことです。まずは、このムートンのことをお伝えします。羊毛という天然繊維であり、その密度は1cm²に約 4000本もの毛が生えています。(当社の製品は約5000本)そのため、とても柔らかくて肌触りが良く、温かみの ある素材です。

ムートンの毛皮が生まれたのは1910年代と言われており、オーストラリアの羊の毛刈りを仕事とする人たちがムー トンの毛皮を使ったコート、ブーツ、毛布など様々なものを生み出しました。

ムートンにあは肌触りの良さだけでなく、優れた保湿性があり、その性質は世界中に広がっていきました。
医療・介護で使われるようになったムートン
ムートンは肌触りの良さと優れた保湿性から介護の中でも床ずれ予防に利用されるようになりました。

「床ずれ」とは、長期療養などの長期間ベッドに寝ている人や、車椅子を利用している人にみられる、圧が長時間 加わることで、その部位の血行が悪くなり、皮膚・皮下組織が障害される症状です。

「床ずれ」の原因は、「湿度」「圧力」「摩擦」が主な要因とされています。ムートンには優れた保湿性があり、 しかも弾力性に富み、さらには柔らかさもあるため、「床ずれ」予防にはとても有効性が高いのです。

オーストラリアやアメリカ、ヨーロッパでは「床ずれ」予防にかなり以前から使用されています。
医療や介護のために開発された「ナーシングラッグ」
当社の製品である「ナーシングラッグ」はムートンと呼ばれる多くの製品の中でも最高級のものを医療・介護のた
めに開発しました。

その違いは「厳選された最高品質の羊・アンショーン・スプリングラム」を使用していることです。

「床ずれ」予防のために作られたナーシングラッグ。その秘密をお伝えします。
厳選された最高品質の羊・アンショーンスプリングラムとは?
当社の製品である「ナーシングラッグ」は、一般的にムートンと呼ばれる羊の皮の製品ではありますが、一般的なムートンとは、「羊毛の質」に大きな違いがあります。
アンショーンスプリングラムとは?
アンショーン・スプリングラムとは、最高品質の羊を表した言葉です。そして、アンショーン・スプリン グラムと呼ばれる羊にはきちんとしたルールがあるのです。
ムートンとはメリノ種の羊の毛皮からできています。
そして、オーストラリアでは、生後1年以上生育した羊をシープ、毛皮をシープスキンと呼びます。そし て、生後1年未満の羊をラム、毛皮をラムスキンと呼んでいます。
また、メリノ種のラム(生後1年未満の羊)で、秋に生まれ翌春まで育った生後3〜5か月未満の羊をスプ リングラムと呼びます。
このスプリングラムと呼ばれる羊たちは、冬の日差しが緩やかな時期に育つので、日焼けのダメージが少 なく、高品質のウールを産み出してくれます。
そして、一度も毛刈りをしていない子羊をアンショーンラムと呼びます。

つまり、秋に生まれ翌春まで育った生後3〜5か月のスプリングラムで、さらに一度も毛刈りをしていない アンショーンラム、この二つの条件をクリアした羊だけが「アンショーン・スプリングラム」と呼ばれる 資格のある羊たちなのです。アンショーン・スプリングラムは、毛立ちが良く、しっかりした毛質で、最 高品質の羊毛として取り扱われています。
さらに厳選したのが、ナーシングラッグです。。。
ナーシングラッグの原料は、オーストラリアのメルボルン郊外で育ったアンショーン・スプリングラムです。その中でも一般的には1㎠あたり4000本程度と言われる毛の密度が、1㎠あたり5,000本以上という高密度ものだけを厳選しています。

さらに、ウール繊維の太い、根元からの毛の立ち上がりがしっかりした毛皮だけを一枚一枚、厳密にチェックし、厳選したものだけを取り扱っています。

そして、原皮を加工技術の高い日本に輸入し、日本の技術で加工しているのです。
安心の日本品質
ウィズのナーシングラッグ製品の加工は日本で行っております。
ムートン素材の加工では日本有数の技術を持つマスダ社製の素材を使っています。複数のシープスキンを 使用する場合には、
同じ毛質・皮質の物を選別し、縫製時に段ができないように革の厚みをみて微調節するなど職人が一枚一 枚製作しております。
日本での加工のこだわりをご紹介します。
クロムなめし加工 〜耐久性に優れたクロムなめし〜
輸入して冷蔵庫で温度管理をして保管された素材で製造していきますが、一番初めに行うのは、「なめし」と呼ばれる皮を腐らなくする工程です。

現在、革製品などに最も多く取り入れられている方法が「クロムなめし」です。クロムなめしは非常に耐久性に優れています。当社のナーシングラッグの素 材の加工はマスダ社が行っておりますが、この「クロムなめし」をメインに取り入れています。

このなめし工程を、コストや工程の難しさから簡素化してしまうと、耐久性や柔軟性が損なわれてしまいます。そのため、この「なめし」の工程はとても大 切なので、「クロムなめし」で耐久性や柔軟性を保つようにしています。

耐久性に優れると、「家庭でも洗濯が可能」となります。クロムなめし加工をしていないムートン製品の場合、ご家庭での選択や、クリーニングはあまりお 勧めできません。

一方、クロムなめし加工を行っているナーシングラッグは、耐久性、耐水性に優れているので、洗濯しても毛が剥がれたり縮んだりせず、ご家庭でも選択し ていただけます。
縫製 〜国内製造、一貫管理、熟練職人による自然な仕上!〜
ナーシングラッグの製造はマスダ社において、原皮からなめし・縫製・出荷までの工程をに日本の同じ工 場内で一貫管理の下で行っています。高い技術と細かい検査工程で、ごまかしのない製品を作り上げてお ります。

中国など諸外国に縫製を委託した場合、日本に比べて明らかに低コストで生産できますが、品質面での大 きな違いが発生します。一見キレイに見える製品でも、諸外国で縫製加工をした場合、縫い上りが凸凹に なった製品を水で濡らし、板等に貼り付けて乾燥させることで製品をフラットな状態にしています。

ナーシングラッグは日本国内での縫製、その後も一貫管理ですので、縫製後、濡らして板に張ったりする
工程はありません。
ナーシングラッグは「医療・看護用シープスキン」としてライセンスを取得!
ウィズのナーシングラッグシリーズはウールの国際規格であるウールマークの中でも「医療・看護用シープスキン」としてライセンスを取得しています。